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深澤先生ブログ「あしたのために#10」が更新されました

深澤先生ブログ「あしたのために#10」が更新されました

皆様、新年明けましておめでとうございます。2023年のスタートです!毎年のことになりますが、皆さんはこの2023年をどのように過ごして行こうとお考えですか?私は新年を臨むにあたり、何でも良いので必ず目標設定をするように心がけています。「目標を立てる」ということに関して色々な考え方はあると思いますが「何かをやろう」と考えた方が、自分の進んでいく道が見えやすいと私は考えています。

私の2023年の行動目標は「人として」や「人間らしく」振舞うということです。近年はデジタル化が進みアナログ的な本来の人間同士の行動が少なくなっているように思うのです。だからこそ、私は常にアナログ第一に考えていきたいのです。私たち東洋医学の従事者にとっては、目の前にいる痛みや苦しみを持っている人の役に立ちたいという思いがとても大切な要素ですからね。

今の時代は、インターネットが進化し情報の取得や共有、そしてSNSを利用することで多くの人たちとの繋がりを持つことができます。しかし、私たち東洋医学の従事者が最も大切にしなくてはならないことが、先述した目の前にいる人のためにできる限りのことを尽くすということなので、そこは手作業であり心の作業になるわけです。つまりはアナログなんですね。

そして、そのアナログのスキルやテクニックのクオリティを上げて、一人でも多くの人の役にたつために努力しなくてはならないのです。そのスキルやテクニックのうちの一つが今回ご紹介する「揉捏」です。あしたのために、その三として「基本的な揉捏」はご紹介しました。今回はその「揉捏」の応用テクニックになります。

「揉捏」の手技は、マッサージ治療においておおよそほとんどの施術で使用するテクニックです。いわゆる「揉む」という技術です。しかしこれも、ただ揉めば良いというものではありません。血液循環を促進させて向上させるためにも、どのような順番でどのようなテクニックを使って揉むか?で、施術の効果は大きく変わります。基本になる母指の揉捏では、母指で筋肉を捉えたまま横に動かしたり回したりしながら刺激を加えていきます。

この基本手技を5本の指全部を使って同様の施術を行います。体の部位によっては指の面を当てて使うケースや全体を覆って使うケースが出てきます。先ずは母指一本で使うケースとしてふくらはぎやハムストリングスが代表的なパターンになります。下腿三頭筋や大腿二頭筋、内転筋群などの筋肉の一番大きい部位に対し母指を可能な限り広い面で捉え、押圧をかけたまま左右に動かしていきます。

徐々に求心性に動かしていくことで、硬くなっている筋肉に刺激を与えながら血液循環のお手伝いをするのです。この時も、ただ押圧しながら左右に動かすのではなく、母指で圧をかけながら少し回転(揉捏)させながら刺激を入れていくと、その刺激は筋肉の深部にまで届くようになるので、マッサージの効果が非常に出やすくなります。イメージはマヨネーズなどのチューブの中にあるものを母指で押しながら回転させて中身を押し出していく感じです。

また、母指中心で考えると特に使われるのは「腰部の施術」です。腰方形筋などはやや外方から腰方形筋の最下端に母指をねじ込むようにして筋肉を捉え、その母指で押圧をかけながら捲り上げるように施術します。腰背部の筋肉群は、非常に強くつながりとしては長いので、この捏ねながら捲り上げるテクニックを使うことで、その部位のみならず全体的に刺激を送り込むことができます。

ただし、非常に力を使うテクニックなのですが力任せにならないよう、自分の身体全体を使ってタイミングとテンポを良くしていくための「コツ」を掴むことが必要です。「コツ」を掴めるようになるまでは、指も痛くなったりしますから大変ではありますが、おそらく施術の中で一番大事なテクニックなので修得できるまで努力してください。

指全体、手全体を使う部位として代表的なのが内転筋群になると思います。内転筋は母指と四指で内転筋を挟むように持ち、五本の指で圧をかけながら把握した状態で手首を使って捏ねるようにしながら持ち上げたり引き上げたりするテクニックを使います。五本の指と書きましたが、両手を使うので厳密には10本の指です。これも引くタイミング、押すタイミング、捏ね上げるテンポ、リズムが大切です。

このようにすることで、より筋肉の深い部分へ筋肉の走行全体へという刺激になるので、きちんと使えればとても効果的なテクニックになります。これも指先に力が入りすぎるとピンポイントに刺されたような刺激になってしまうので、あくまでも五本の指先の腹全体で優しく当てることが重要です。

以上「揉捏」の代表的な応用テクニックを紹介しました。なかなかイメージが湧かない部分もあるかと思いますが、マッサージ治療の手技は「これでなくてはダメ」というものはありません。自分なりに患者さんの身体を労りつつ、どう指を手を使ったら効果的な刺激を入れられるのか?ということを考えて自分なりのテクニックをアレンジしていってください。

「やってはいけないこと」としては、ピンポイントにならないということと、力任せにならない、ということです。筋肉に対して正しい刺激が入るテクニックを身に付ければ、施術後の揉み返しは起きません。力任せのテクニックは、筋繊維にダメージを与えてしまうので揉み返しが起こるのです。良く「揉み返しはその後体調が良くなるために必要なこと」「好転反応です」などと言う人がいますが、これは私からみれば「ただ単に施術が未熟」ということです。本当に技術のある人は揉み返しなど起こさせません。

私自身もこの世界に入った頃は、ただ力任せな施術をしていて「揉み返し」が起きても「この後体が楽になるサインだから」などと言ってごまかしていた時もありました。しかし、多くを経験して適正な圧を適正な刺激を入れられるようになってからは「揉み返し」を出さずに回復させられるようになったのです。そこには、自分なりに探求心を持って向上心を持って日々努力を続けたという実績があると自負しています。

皆さんにも必ずできるようになる日がきます。慢心してはいけませんが、色々悩みながらもがきながら技術修得の努力を継続していけば、必ず素晴らしいテクニックが身に付けられるのです。地道な努力ですが、諦めず継続していってください!

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