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深澤先生ブログ「Vital energy fiow#7」を更新しました

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令和2年の夏は、様々なことを体験しました。悪いことも良いことも。私のポリシーは「ポジティブに」なので、良いことを前面に押し出しながら話を進めていきます。時期的にはもう遅い話題になりますが、今回お話したいことは「令和2年度 神奈川県高等学校野球大会」に関することです。(結局野球の話かよ!って感じですが)

皆さんご承知のように、令和2年に開催される予定であった「春のセンバツ高校野球甲子園大会」が歴史上初の中止となり、現高校3年生にとっては辛い状況を突き付けられてしまいました。それでも球児たちは「最後の夏に懸ける」との想いを胸に「全国高等学校野球選手権 甲子園大会」が開催されるという希望を持って、努力を継続していました。


しかし世の中の「流れ」は悪く、新型コロナウイルスは収束に向かうどころか、さらに威力を増したように増加する一方であり、結果的に「夏の甲子園大会」も歴史上初の開催中止となってしまいました。そんな状況の中で高校野球に携わる方々の懸命な努力により、無観客であったり衛生管理の徹底等の規制や制限はあるもののなんとか各県ごとの独自大会開催を実行してくださいました。


神奈川県は「新型コロナウイルス」の状況が悪かっただけに、他県よりも厳しい規制の中での開催となりましたが、高校球児たちにとっては「ひとつの区切り」をつける環境を用意してくださったことで、最後の最後まで一生懸命プレーすることができたのではないでしょうか。このような状況での開催となったため、学校により最後の夏の大会に臨むスタンスが違っていたとは思います。


三年生の最後の大会のために三年生たちで臨む学校もあれば、甲子園という目標は無くとも今まで通り県の優勝を狙うために一年生から三年生まで全ての力を総合して臨む学校もありました。これは指導者や関係者の方々がそう仕向けたのではなく、選手たち全員が「自分たちはどうしたいか?」を話し合い、自分たちで決めたことを指導者の方々に理解していただき方向性を明確に大会に臨んでいたようです。


私の母校「相洋高校」は、チーム全員で「本気で神奈川の頂点を目指す」という目標を掲げ、この令和二年度神奈川県高等学校野球大会に臨みました。私は選手たちがどのような決定を下そうとも、元々の彼らの目標としていた「神奈川制覇」を睨んでトレーニングやパフォーマンス発揮のためのコンディショニングスケジュールを徹底し、断行することにしていました。彼らが本気で狙うということを信じていましたから。


新型コロナの影響で、全体練習がままならない中でも、大会スケジュールから逆算して選手一人一人が自主トレとして最低限取り組んでおかなくてはならないトレーニングプログラムを作成して実行してもらい、全体練習が再開された時にはパフォーマンスレベルが上がっている状態で始められるように対応し、これを選手たちは理解してきちんと準備を整えてくれていました。


そういった細かい努力の積み重ねと準備ができていたことで「相洋高校」は、神奈川県の独自大会を順当に勝ち上がることができ、選手たちも自信を持って根拠を持って勝ち進んでくれていたと思います。この大会の一つ目の山は強豪私学のひとつである5回戦の慶應義塾戦でした。選手個々の能力は慶應義塾さんの方が上だと思いますが、私はコンディションや夏の暑い中でパフォーマンスを発揮することができるのは相洋高校の方が上だという確信がありましたから、試合終了時にはきっと勝つことができているだろうと考えていました。


その考え通り、序盤は4点ビハインドという劣勢でしたが、我慢していれば必ず逆転できると思い観戦していると5回表に一気に6点と逆転に成功し、そのあとはコンディションの差が露わになって一方的に試合を進めて勝つことができました。相洋高校はこの勢いのまま、創部初となる決勝戦まで駒を進めることができたのです。


決勝戦の相手は、昨年の夏・秋・今年の春と3大会続けて苦杯を喫してきた「東海大相模」です。選手たちの想いは神奈川制覇であると同時にそれは打倒「東海大相模」でもあったわけです。その舞台は整い8月23日、横浜スタジアムに乗り込んでいきました。


試合は相洋高校が先制するも、すぐさま東海大相模が追いつく、中盤珍しく東海大相模の守備の乱れから相洋高校が勝ち越し点を奪い7回裏に引き離すツーランホームランで5-2と3点リードで終盤に入りました。正直なところこのツーランホームランで、勝てるという確信を持ちました。


しかし、8回表の東海大相模の怒涛の攻撃には脱帽です。流れの話なので流れを見ると、この試合の流れは序盤から終盤にかけて相洋高校にありました。それは、相洋高校がやるべきことを正確に確実に実践していたからです。そしてその流れは終盤にも来ていました。ところが8回一死から二塁打で出塁した東海大相模の選手が、この二塁打と塁上からの後続への熱い激を飛ばし続けたことで、一気に流れは東海大相模に移ってしまったのです。


私の後悔は、アドバイスを送りたくともスタンドで声を出すことができないルールで、大事な場面で何もしてあげられなかったことです。心の中で祈るしかできない状況で、試合は無情にも東海大相模が強引に流れをつかみ取り豪快に逆転し、さらに最終回にとどめを刺され、結果5-9で逆転負けし、惜しくも準優勝で神奈川県の独自大会を終わりました。


神奈川制覇・打倒東海大相模、を成し遂げることはできませんでしたが、選手たちは最後まで立派に立ち向かい戦ってくれたと思います。創部初の準優勝、立派なことだと思います。選手たちには胸を張ってもらいたと思います。高校野球は終わりでも、一つの目標に向かって努力を継続し根拠を持って日々活動していくことで、コンディションだけでなく準備が整いパフォーマンスを発揮することができる。ということを体感してくれました。


こういう考えと行動が、これから先の野球人生だけでなく社会生活でも活きてくるのだということを理解できたと思います。私はこの大会を通じて彼らをリスペクトすることができました。次の人生での勝利を願っています。


流れというものに関して、怖さも感じました。流れを引き寄せるには「やるべきことを正確に的確に行っていく」ということが基本ですが、今回のように強引に流れを引き寄せることもできるということを体験しました。しかし、そこには強引に引き寄せるだけの日々の努力という裏付けや根拠はあるのだと思います。何の努力もしていない人が強引に流れを引き寄せることはできません。それができた東海大相模、本当に努力を重ねてきたのでしょう。


相洋高校は準優勝に終わりましたが、ここからもっともっと進化していきます。そして近い将来神奈川制覇を成し遂げられるよう根拠のある努力を続けていきます。


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