湘南医療福祉専門学校

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深澤先生のブログ「先ず、やってみよう!#4」を更新しました

最近スポーツ界では、様々な問題が発生しており後を絶たない状況です。スポーツを愛しスポーツに関わる仕事をさせてもらっている私としては、とても残念な状況です。その問題点の大半が、今風に言うならば「パワハラ」ということになっています。

ちょっと本題とはズレますが、最近は何でも「ハラスメント」になってしまい、そこまで突っ込まれたら「何もできません」って感じです。世の中どうしちゃったんでしょう?

「ハラスメント」を調べると、「嫌がられる行為をすること」「または何がしかの行為に不快感を示すこと」とあります。同義語には「嫌がらせ」「いたずら」ともあります。つまりその現場においてあきらかに他人に嫌がられる行為をしたり、他人が不快感を示す行為をしてその被害を受けた人が精神的にダメージ(肉体的にも)を受けるということなのだということではないでしょうか?

スポーツの現場では「選手に上手くなってもらいたい」「強くなってもらいたい」と願う指導者が厳しく選手に接することが多々あります。しかしそこにお互いの信頼関係が築かれていれば、その厳しい指導が「ハラスメント」になることはありません。

私は「ハラスメント」を肯定しているわけではありません。スポーツの指導で行き過ぎた体罰や恫喝するような言葉の攻撃は絶対に許されるものではないと思っています。でも指導者と選手たちが、お互いに成長すること強くなることを願い、心から信じて厳しい指導を受けているなら、行っているなら、それを表面だけで第三者が「ハラスメント」だと騒ぐのはおかしいと思います。

ただ、最近起きているスポーツ界の問題は、古臭い上下関係だったり悪しき縦社会の習慣をそのまま信頼関係も無しに指導者が一方的に行っていることが問題の本質だと思います。また同時に「プレイヤーズファースト」という言葉が独り歩きして、大きな勘違いを引き起こしてもいます。

選手たちの訴える「プレイヤーズファースト」は「俺が選手だから一番偉いんだ」「俺たち選手がいなかったら指導者もスタッフも何もできないでしょ」という考えが多くみられます。違いますよ!真のプレイヤーズファーストは、関わる全ての人たちが選手の活躍を願って厳しさもあり優しさも持ち合わせてその選手のために一生懸命努力するということであり、選手自身も最大限の努力を行い結果が出せるようにするということです。

誰が偉いとか無いんですよ!お互いにリスペクトしてお互いに良い結果を出せるように、信じ合い共に戦っていくことこそが本当のプレイヤーズファーストです。私がロサンゼルスドジャースで働かせてもらっていた時に、この部分をとても強く感じました。選手たちが、現場にいる全ての人たちとともに毎日ワールドチャンピオンになるため一緒に戦っているんだ!ということをよく言われました。

お互い真剣だからこそ、言い合いになることもありました。しかし決してネガティブなことではなく勝つためにぶつかり合っていることなので、とても気持ち良かったです。残念ながら地区優勝までしか経験できませんでしたが、私の経験上では最高の時間帯でした。

結局のところ、今起きている「ハラスメント」の問題は、コミュニケーションが不足しておりお互いのリスペクトがまったく無いからだと思います。今日は何故こんな話をさせてもらったかと言うと、我々東洋医学の従事者にとっても凄く重要なポイントだからです。

私たちは、体の不調を訴える患者様たちを診させていただいています。もしそこで患者様とのコミュニケーションが無く、施術者の一方的な考えの施術をしていたとしたら、その患者様の不調は決して良くならないと思います。もっと極端に言うと、患者様から「私はそんな施術を頼んだ覚えは無いし、無理矢理鍼を打たれた!その鍼治療のあとに調子が悪くなった」などと言われてしまうことになります。

もうそこには信頼もリスペクトも存在しません。でも実際の現場では起こりがちなことなのです。私たちは人様の体を診させてもらっている以上、最善の方法で最大限の努力をしなくてはなりません。そのためには技術の押し売りではなく、お互いの信頼関係を築いていく努力を省いてはいけないのです。

患者様に良くなってもらいたいからこそ、相手のことをより良く知ること、その施術によってどのような変化が起きどのように回復に向かっていくのか?を患者様が理解して任せてもらえるような関係を築くことが本当に大事なのです。そして患者様も施術者任せだけではなく、自分も一緒に良くしていくんだという強い思いをもってもらえるように教育していくことも必要です。

私たちは、患者様の回復を願い知識を吸収し技術を磨き人間性を高めて、可能な限り多くのことにチャレンジしていくことが必要です。このようなことができるようになるために今回の「先ず、やってみよう」はお互いを心底リスペクトできる信頼関係を築くためのコミュニケーション力を身に付けようということです。

これができれば「ハラスメント」という言葉が東洋医学の中には存在しなくなると思います!

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