湘南医療福祉専門学校

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深澤先生のブログ「Think Blue #12」

深澤先生のブログ「Think Blue #12」

<深澤英之 先生>
城西大学野球部、女子駅伝部、陸上部トレーナー
ヤクルトスワローズ(現 東京ヤクルトスワローズ)一軍トレーナー兼リハビリ担当
ヤクルトスワローズ(現 東京ヤクルトスワローズ)二軍トレーナー、二軍トレーニングコーチ
ヤクルトスワローズ(現 東京ヤクルトスワローズ)一軍トレーナー兼リハビリ担当
ロサンゼルスドジャースアシスタントトレーナー
株式会社ルートヴィガー設立(広尾店、銀座店)
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毎度のことですが、一年とは早いものです。Think Blueもいよいよ最終回になりました。
基本的には、東洋医学とスポーツの関連性をテーマとしてはいましたが、物事の考え方だったり取り組み方だったりという「精神的」な要素が強くなってしまいました。

なので、最終回も開き直って「精神論」で行こうかと・・・(笑)

今と昔を比較すること自体ナンセンスですが、自分自身が、自分たちが、成長していく為には歴史を辿り過去を確認しながら進んでいくことが大切ではないか?と思います。
そして、良い部分は継続し良くない部分は改善し、そのどちらもさらに進化させていくことが重要だと考えています。

世の中の医学は、常に進歩し続けています。特に西洋医学では数々の症例が積み重なり、今まで知り得なかったことが解明され大きな成長を遂げていると思います。しかし、だからと言って過去の医学が間違っていたということではないですよね。

今まで考えられてきた医学的知識や技術よりも、もっと効果的でリスクの少ない考え方や技術が編み出されているのだと私は思います。
このような経験と実績と研究を繰り返すことが、さらなる成長を生み出すものです。

私は東洋医学であっても同様だと考えています。実際には西洋医学のようなデータに基づく根拠には敵わない部分があることは否めませんが、我々が日々経験することや実際に行ってきたことの結果を集約することによって、数値には表れなくとも同等の根拠には近づけると信じています。

その為に何をするか?が大切です。私が在籍していた「ヤクルトスワローズ」でも「ロサンゼルスドジャース」でも必ず毎日、選手たちの「デイリーリポート」を作成していました。
当日の天候や気温・湿度等の環境面、選手たちのコンディション・バイタル等の状態、練習や試合でのパフォーマンス・結果、行った施術の目的・内容等、非常に多くの項目を入力してデータ化していました。

もちろんそこには、我々の一方的な見解だけではなく選手たちの生の声も含まれています。こういった作業を継続して進めることにより、その状況にどう対応するべきか?今、何が必要なのか?ということが明確になります。
そして、こういうことの積み重ねが良い点悪い点の見極めになり、進化に向かう改善となるわけです。

世の中には「流行」という言葉がありますが、実はこの「流行」と言われているものは決して新しく生まれてきたものではないと思っています。
古くから行われていたこと、昔から伝えられてきたことが、今風に変化して「いかにも新しいものが出てきた!」ということなのだと解釈しています。要は古くから行われてきたことが、より良いものに形を変えて行われるものが「流行」なのだと思っています。

つまりは「流行」に左右されるのではなく、根本を見つめて基本を身に付けておくことが「流行」を使いこなす一番の方法だということです。一番わかりやすいことで表現するとしたら「体幹トレーニング」もしくは「コアトレーニング」というものがありますよね。
現在、この「体幹」もしくは「コア」というものはトップアスリートや芸能人たちがこぞって取り入れ、いかにも時代の最先端をいくトレーニングというイメージを持たれています。

しかしですよ!古来、日本ではいわゆる「腹筋・背筋」という言葉で行われてきたトレーニングです。そしてその方法も昔で言う「腕立て伏せ」「手押し車」「おんぶ屈伸」「おんぶ走り」「上体起こし」「足上げ腹筋」「上体そらし」等々・・・・(古っ!)

こういったもののほとんどが現代の「コアトレーニング」の原型です。
ただ違うことは「何のために?何を意識して?」ということであり、「体幹」いわゆる身体の中心・幹となる部分を強くして四肢を自在に操ろうという考え方です。昔はこの考え方が浸透していなかったので、ただ単に腕の強化・お腹の強化・背中の強化・下肢の強化、という部分的な見方しかできていなかったのです。

それが経験や実績を基にデータに裏付けされた研究の結果「体幹」を安定させることによって、身体の軸をぶらさずに四肢を思うように操りパフォーマンスを向上させるということが分かってきたのです。
だから「コアトレーニング」が必要なのだと!「コア」と呼ばれるものは「腹横筋」「多裂筋」「横隔膜」「骨盤底筋」などであり、体幹筋や姿勢筋などと表現されています。

これらが強く機能的になることで、健康を保ちやすくさらに運動のパフォーマンスが向上するということが今までは理解されていなかっただけで、行ってきたことに間違いはありません。
だから、物事の表面だけを見て「これが良い」と判断するのではなく、物事の本質を見極めて欲しいのです。

この例では「パフォーマンス向上」という話をしてしまいましたが、その前の根本的な部分としては「体幹」を強化することで、正しい姿勢を手に入れることができます。
正しい姿勢は、人間が二足歩行になってからずっと多くの問題点を発生させてきた、非常に難しく大変な姿勢です。しかし、正しい姿勢を手に入れることによって骨格や筋肉にかかる余計な負担を減らし、体循環の全てを整えてくれます。

結果、健康な状態を維持できることで日常生活をより快適にし、人間が持つ本来の活動的な部分が活かされてきます。肩こりや腰痛・冷え・頭痛・・・等々、多くの悩みを吹き飛ばしてくれます。
このことを考えた時に西洋医学だけでなく、東洋医学も体幹強化に一役買える存在であると言えますよね!

健康な状態に整える術は、東洋医学の得意とする部分です。身体の中心を整えることによって、全身の循環・バランスを整えられるわけですから、結果的にコンディションが良くなりパフォーマンスが向上します。
このような基本の部分に目を向けて、基本的な施術を提案・提供していけば根本を改善することが可能になるわけです。

さあ皆さん!上辺の流行に左右されるのではなく、しっかりと基本を身に付けて正しい考え方・正しいアプローチができるよう日々精進して行きましょうね!
本当に大切なことは何か?を常に考え常に実行していけば自ずと道は開けます!
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